2002年9月第2週

 さてさて、月光舎10周年記念『啼く月に思ふ』韓国凱旋公演も16日無事終了し、今、打ち上げの二次会の帰り、これを書いてます。みんなまだまだ横浜で賛辞会、いえいえ惨事会、おっと三次会をしていることでしょう。

 今回はみんなに痩せた痩せたといわれながらも精神力が補う体力はあったので、私も朝まで付き合いたかったんですけどね、この締め切りもあるし(なんていって、先週は一日遅れてすみません)、明日っていうか火曜日の夜、韓国現代戯曲ドラマリーディングの顔合わせがあり、いろいろ準備があるので泣く泣く先に帰りました。まずは『啼く月に思ふ』に来ていただいた方々に感謝。本当にありがとうございます! キャパ150(張り出しをしたので)の相鉄本多劇場で、今日の楽日こそ100人越えましたが、昨日まで40〜50人平均という薄さで、やはり横浜は遠いのかなぁ、といろいろ考えるところもあったのですが、まぁ何とか小屋代も払えたし、スタッフのギャラも払えたし、打ち上げも出来たので、観に来てくれた観客のみなさんにはホント御礼をいいたい! あ、もちろん制作的な面のことだけじゃありませんよ。

 ここでも何度もいってたように、今回は私としても、月光舎としても、エポックメイキングな作品になっていたと思うので、ただ純粋に観に来てくれた人に愛情を感じているということです。逆に、観に来てくれなかった人には声を大にして「なんで来なかったんだよぉ!」といいたい気持ちです。こういうのも私としては珍しいですね、ホント。いつもは、人類愛の水瓶座のA型としては「まぁ、それぞれ事情はあるさ」などと思って「次は来てね!」などと笑ってましたが、今回ばかりは、う〜ん……でも、10周年だし、韓国凱旋だし、来てくれると思って強いプッシュをしなかった私が結局悪いんですけどね。それにしてもホント薄かったなぁ……トホホ。

 そうそう、受付で「乾坤一滴!」と叫んでくれる人こそいませんでしたが、この欄を見て来てくれたという人もいて、うれしかったです。ありがとう! なんか今回は「うれしかった」ばかりになっちゃうんですけど、やはり月光舎10周年ということもあって、意外な人もいっぱい来てくれて、ホントうれしかったです(ホントも多いな)。小学校の頃、よく遊んでた幼なじみの子が旦那(私が若かった頃に恋仲だった子のお兄さん)と来てくれたとか、月光舎の旗揚げ公演に、その時すでに75歳で出てくれた鄭さんが85歳の元気な姿を見せてくれたとか、月光舎を辞めて名古屋に帰ってた子がわざわざ来てくれたとか、寿退舎した月光舎の旗揚げメンバーの瀬高が2月に生んだばかりの赤ん坊を連れて来てくれたとか……まぁ10年もやってればいろいろありますわな。

 去年の9月、タイニイアリスでの初演の時に取材してくれたFSTAGEの神保さんももちろん来てくれて、「役者がみんな成長して、それぞれ魅力的になった。全体のクオリティも高くなったけど、その分、妖しさや猥雑さが減った」という、まったくもってその通りのありがたい御意見もいただいて(美術的にも演出的にも、どっちを優先するか悩んだ結果こうなったんですけどね)、さらに再演する時には、貪欲にもどっちも感じさせたいと思いましたね。

 まぁとにかく、昨年の9月から韓国公演も含めて一年間やってきた『啼く月に思ふ』もこれで終わりということで、役者たちもそれぞれ役への愛着もあるのか、感慨深げなところもありましたが、明日からはもうそれぞれ次の芝居の稽古だし、気持ちを切り替えて頑張っていってもらいたいと思います。私も韓国現代戯曲ドラマリーディングの『無駄骨』の稽古が始まります。青年座や文学座の役者さんたちとやるのは初めてなので、ものすごい楽しみなんですよ。そちらもぜひ観に、いや、聞きに来て下さいね! じゃ、これからシャワーを浴びて寝ようっと……みなさん、ホントお疲れさまでした!

(9.17.2002)

(つづく)


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