2002年8月第4週

先週に引き続き、福岡の話から。

 オーディションの後、そのまま福岡に残っていたのには訳がありまして、実は、オキナワ月光舎(現在、休止中)をやっていた元・螳螂の長谷川淳一が、今は福岡にいて、代アニ(代々木アニメーション学院)の福岡校の声優タレント科の先生をやってるんですが、その生徒たちのレベルを上げたいということで、学内に演劇クラブを作りまして、まぁ、学内ですからそんなに対外的におおっぴらには活動出来ないようなんですが、その公演の台本を私が書くことになりまして、そのメンバーとの顔合わせを、その夜にやろうということになったからなんです。

 顔合わせとはいえ、ほとんどみんな未成年ですから飲み会というわけではなく、ちゃんと稽古着で身体を動かしてもらったり、すぐに立ちで台本を読んでもらったりと、時間がない(何しろ何回も福岡に行けるわけではない)ので、それぞれの力量や個性を短い時間の中で見せてもらったわけです。

 稽古の中で一番驚いたのは、そして、これはいいぞ、と思ったのは、殺陣でした。演劇クラブのメンバーは女の子が多い、というか、ほとんどそうなのですが、その子たちが殺陣を習っていて、これがなかなかカッコイイんですよ! 私はよく知らないんですが、組体操のような舞台を見せる女の子の劇団があるそうですが(勉強不足ですみません)、若い女の子たちが殺陣をやるというのもいいんじゃないでしょうかねぇ。

 大昔、螳螂の『聖ミカエラ学園漂流記』という芝居で、女子高校生たちに武闘訓練をやらせるシーンで、ブルマーの体操着姿に鉄棒を持たせて金網の中で闘わせましたが、それよりも本格的に、飛んだり跳ねたりする殺陣も入ると数段カッコイイので、これを生かせる芝居が書けたらいいな、と思いました。 で、実は新作を書くつもりだったんですが、9月[月光舎]も10月[韓国ドラマリーディング]も公演があり、どうにも時間的に無理なので、昔、螳螂でやった『十月のオラトリオ』という芝居を脚色改訂してやることにしました。『オラトリオ・クライシス2002』というタイトルで、登場人物たちも、メインは女囚たちということになりました(これはハッキリいっておきますが、長谷川の趣味です)。

 で、女囚ものの映画も参考に見てみなくちゃと思っているんですが、なかなか見ている暇がありません。まぁ、私はなんといっても『さそり』ですけどね。もちろん、初代の梶芽衣子のですが。この公演に関しては、また詳しいことがわかったら報告します。現在、台本を直しているところなんですけど、なんかワクワクしています。東京でもやれたらいいんだけどなぁ。

 ほとんど未成年の演劇クラブの子たちとは、稽古の後、ジュースとお菓子で乾杯して別れ、その後、長谷川ともう一人沖縄出身の先生とOBの子と近くに飲みに行きました。で、最後は当然、屋台のラーメンです。今回は、近くということで、駅の近くの音羽公園に出ている屋台に行きました。その前にかなり飲み、二日分の疲れも手伝ってかなりヘベレケでしたが、とんこつラーメンはしっかり食べました。でも、替え玉は出来なかったなぁ……残念。

 翌日は帰りの飛行機の時間までキャナルシティをブラブラし、やはり海鮮ものも食べなくちゃと、『どん舞』という店で、昼から地酒の冷酒をチビリチビリやりながら、かんぱち、えび、鮭、いくら、いか、まぐろ、めんたいこがのっている豪華な大漁丼を食べました。うまかったぁ! というわけで、私のささやかな仕事を兼ねた夏休みも終わり(伊豆もいずこかへ去ってしまい)、神奈川に戻って9月公演『啼く月に思ふ』の稽古が 始まったとさ。

(8.27.2002)

(つづく)


前週
週刊FSTAGE掲示板