先週、寺山修司さんの短歌を最後にちょっと添えましたが、このFSTAGE読んでる人で、天井桟敷の演劇を生体験してる人ってどれくらいいるのかなぁ? 本や映画はいつでも読んだり観ることが出来るけど、演劇はその時間にしか成立しないもんだからね。まぁ、30代後半より上の人ならかろうじて高校時代とかに観てるかもしれませんね。ちなみに私の天井桟敷初体験は、高校の時に観るつもりもないのに巻き込まれていた『市外劇ノック』で、本格的に観たのは大学に入った76年に調布の大映スタジオで観た『阿呆船』でした。とにかく大きな空間で、圧倒されっ放しで2回も観に行ってしまいました。その後は83年7月31日(奇しくも今月だ)の天井桟敷解散まで、全作品観てます、っていうか、手伝ったりもしたんですけどね。
前にも書きましたが、来年は寺山さんの没後20年で、月光舎でも没後10年の時にやった『書を捨てよ、町へ出よう』に続いて(といっても10年経ちましたが)、命日にあたる5月4日を千秋楽にしてちょっと大きな公演をやろうと考えています。この前の土曜日に久しぶりに月光舎の総会があって、9月の韓国凱旋公演に向けてようやく本格的に動き始めたんですが、その時にみんなにもいいました。演目はまだ発表出来ませんが、私はこれまで螳螂で『盲人書簡』と『疫病流行記』、プロデュース公演で『毛皮のマリー』と『血は立ったまま眠っている』、月光舎(天文館プロデュース含む)で『青少年のための無人島入門』と『引力の法則』と『書を捨てよ、町へ出よう』を演出してるんですが、ちょっと違った感じのものをやりたいと思っています。寺山さんの作品を管理してる九條さんに訊いたところ、いろいろ企画も来ているらしいので、他の演目と重ならないようにやらないと。万有や月蝕もやるんだろうな。まぁ、まだ来年の5月ですけど、久しぶりの寺山作品、楽しみにしていて下さい。あ、東京の劇場でやりますよ。
月光舎の総会は韓国公演後初めて(お疲れ会はしましたが)だったんですが、ワークショップのARROWの方は毎週木曜日しっかり活動してます。で、今月の最終木曜日には私が10年前に書いた『イエスタディ・ワンス・モア』という作品を改題した『きのう・今日・あした』という芝居の中間発表会があります。この作品は実は“静かな演劇”の先駆けみたいな作品で(私もそういうの書いた時があるんです)、当時私が制作の仕事もしていた西舘好子さん主宰のみなと座の研究生公演でやったんですが、西舘さんには「ただおしゃべりしてるだけなんてつまんないわよ」と散々いわれたのを覚えています。でも、観に来てくれた文学座のスタッフには評判よかったんですけどね。まぁ、今回は内部発表会で稽古場として借りてるコミセン(コミュニティセンター)でやるんで、特に観に来てくれとはいいません。12月にちゃんとした形で、地元の座間芸術祭なるものに参加して公演すると思うので、その時はハーモニーホール座間まで奇特な人は観に来て下さい。遠いよぉ〜!
月光舎の総会では、来年のアジア連続公演第二弾(とりあえず韓国は決定!)の話もしたんですが、実は沖縄にも行きたいんですよ。沖縄はいい意味で「日本であって日本でないようなところ」で大好きなんですけど、アジア連続公演の中に入れてもいいんじゃないでしょうかねぇ。今、オキナワ月光舎は休業中ですが、夏には私も新作を書き下ろします(公演はいつになるかわかりませんが)。一時は年に2回は行かせてもらってた沖縄も最近とんと御無沙汰で、もっぱら銀座の“わしたショップ”で材料を買って来て、時々妻になんちゃって沖縄料理を作ってもらってます。ついこないだも韓国映画を観に行くついでに行ってきました。ゴーヤも沖縄のじゃないとあまり苦くないし、麩もくるま麩じゃないとね。あと私はポーク玉子が大好きなんですが、あの缶詰のポークって韓国料理(プデチゲ)でも使うんですよ。
というわけで、料理の話になったらお腹も減ってきたので、今週はこの辺で。そうそう、沖縄のスッパイマンも大好きです。あれって後引くよねぇ。
(7.9.2002)
(つづく)