ワールドカップが終わり、私の周りのおじさん連中はなぜかボーッとしている人が多いのですが、みなさんの周りではどうですか? 年寄りはどうも切り替えがスムーズに出来ないようですね。逆に、うちの息子は、小学校の時に一瞬サッカーチームに入っていたこともあり、ワールドカップ中は私にも選手のこととかいろいろ教えてくれてたのですが、終わったと同時に興味は先行上映も観に行った『スターウォーズ』に移行して、さっそくペプシのボトルキャップ集めに奔走してます。若い連中は切り替えが早い。52種類以外のシークレット(表と裏が別の顔のリバーシブルになっている)をいくつかゲットしたとかいって喜んでますが、どうなんですかねぇ。前のキャップにしても埃を被ったままですし。私としては、またキッチンや冷蔵庫の中にペプシコーラのボトルがズラーッと並ぶのがちょっと困りもんですが……。
しかし、日本人はホント熱しやすく冷めやすい民族だと思いますね。ワールドカップの応援にしても、他国からはかなり不思議に思われていたようですし。要は自分が楽しけりゃいいということなんでしょうが、私はああいうのは嫌ですね。とかいいながらも、結構自分も熱しやすく冷めやすい方なんで(特に恋愛に関しては。あ、若い頃ですが)、あまり深くはいえません。でも、こだわりはあるんですよ。しつこいぐらい。だから、いまだに演劇やってたりして。
さて、全然関係ない話ですが、私の住んでる神奈川県の警察、つまり、神奈川県警はあまりよくない評判というか事件が多いんですけど、今年になって張られていた警察官募集のポスターは「お、カッコイイじゃん」と思って見てたんですが、それが『レザボア・ドッグス』にそっくりということで差し替えられることになったそうです。いくらなんでも警察官募集が宝石強盗の映画にそっくりじゃ、ということらしいんですけど、その記事を読んですぐ、新宿のJR構内で、警視庁の「暴力団追放」のポスターを見てびっくり、というか笑ってしまいました。オスのライオンの顔がデーンとある横に「暴力団追放」って書いてあるんです。これはまぁ、百獣の王ライオンが睨みを効かしてるってことなんでしょうけど、ねぇ、どう思います? 笑っちゃうでしょ。警察ネタで笑っちゃうついでに、つい先日の新聞に、大阪府警が暴走族撲滅のために作った新しいポスターの標語が「今どき、暴走族恥ずかしくない??」だと載ってました。これもねぇ、まぁ、今どきの若者は結構人の目を気にする(道頓堀ジャンプだって、マスコミが行ったり人が集まらなきゃ誰も飛び込まないって)ってことを考えてのことなんでしょうが、狙いは「腹を立ててもらうこと」だとか。でも、こんなんで腹立てるのかなぁ。いや、こんなんで腹立てそうな連中が、暴走族になるのかもしれませんね。ダメ押しとして「ダサー! 他にすることあるやろう」とも書いてあるそうですが、他になんかいい案はないんですかねぇ。とにかく、警察もあの手この手で頑張ってるようですが、警察そのものの権威はどこへ行ってしまったんでしょうか。昔は警察っていうと怖かったけどなぁ。
久しぶりに韓国ネタがないまま今週は終わりそうですが、やはりワールドカップの韓国は凄かったですよね。今まで韓国に関心のなかった人までも韓国の話をするようになって、うれしいんですけど、これがこれからも、日韓の新たなほんとの交流に繋がっていくといいですね。もちろん、いい話ばっかりじゃありません。「あのナショナリズムは怖い」とか「あの熱さが嫌だ」とかいう話も聞きます。でも、韓国にあまりいい印象を持ってない人って、韓国に行ったことのない人が多いので、とにかく一度行ってみてもらいたいですね。日本人が失ってしまったものを感じるはずです。それが、初めて韓国に行った人がよく感じるという「懐かしさ」なのかもしれませんね。それを感じたら、やっぱり日本人だという自覚も持つはずです。といっても、どうしても帰属するものを感じないんですけどね。
『マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや』(寺山修司)
(7.3.2002)
(つづく)