帰って来ましたよ、ソウルから! いやぁ、先週はソウルの街を駆けずり回り、日本語入力の出来るパソコンを探したのですが、近くにはなくて、何とかウラワザで日本語入力出来るように試みたのですが、何回やってもダメで、そのうち並んで待ってる後ろの人に(銀行のロビーにある無料のパソコン使ってたんですけどね)、蹴られそうな気配を感じたので、スゴスゴ退散しました。月光舎のBBSにローマ字で言い訳入れといたんですけど、この原稿、全部ローマ字じゃ読みにくいですもんねぇ。というわけで、先週はやむを得ずお休みしてしまって申し訳ありませんでした。
さて、気を取り直して、ソウルの報告です!
といっても、あまりにハードな出来事やハプニングの連続で、いったい何から話していいのやら……まぁ、この表題になっている「アジア征服」の第一歩はしっかり記せたと思いますよ。次につながる素晴らしい関係が生まれましたし。
興行的には、倉庫劇場(劇団創作村)もホームページで宣伝してくれたりしたんですが、時期がワールドカップ開催直前でマスコミも忙しいということもあり、また、お釈迦様の誕生日か何かの祭日とも重なっていて、さらにいくつか日本からの公演が重なっていたということもあって、一般の人にはいまいち情宣も浸透していなくて、ちょっと寂しかったのですが、韓国の劇作家や詩人、評論家の人たちがたくさん来てくれました。評価は、やはり頭の硬いお年寄りにはいろいろ厳しいこともいわれましたが、若い人たちには概ね評判はよかったようです。「いろいろなことを考えさせられた」とか「ショックだった」という意見や、「今まで見た芝居の中で一番よかった」ともいわれました。また、「日本では音楽や照明などを効果的に使った芝居が多いのですか?」とも訊かれました。ハングルの台詞に関しては、やはり、「半分ぐらいしか聞き取れなかった」ともいわれましたが、「日本の若い人たちが全編ハングル語で台詞をいっているのに感動した」「最初と最後の詩の語りはよかった。特に最後のハングルと日本語が交互に語られる詩はよかった」ともいわれました。妥協するわけではありませんが、日本語の芝居でも、台詞が聞こえなかったり、何いってるのかわからないような芝居も多いんですから、ハングルで半分でも伝われば御の字だとは思いましたけどね。韓国で演劇プロデューサーをしている木村典子さんにも、「韓国人では考えられないような言葉の使い方をしていて、日本人が韓国で公演をする新しい可能性を感じた」といってもらえました。木村さんのこの言葉を聞き、私はかなり勇気づけられ、「来年も絶対やるぞ!」と勝手に決意を新たにしました。木村さんは「日本人が韓国に来て、日本語で芝居をするのはもういいんじゃないか」ともいっていました。字幕とか使わなかったのは正解でしたね。日本でも、外国から来た芝居で、字幕見てると肝心の芝居の部分が観えなくなっちゃいますからね。
韓国の観客のアンケートも取ったので、いずれ月光舎のホームページで公開します。インターネットでも(韓国はIT産業がものすごい進んでいて、インターネットで情報を知ったという観客が多かったです)、批評が掲載されているようですし、これからいくつかの雑誌に劇評が掲載されるので、それも追って発表していきます。公演の成果としては、来年につながる新たな可能性を見出せたということ、そして、今回は明洞の倉庫劇場での公演でしたが、韓国のブロードウェイとも呼べる大学路にある劇団東崇舞台から「ぜひうちの劇場でも公演してほしい!」といわれたことなど、いいことづくめで、さらに千秋楽にはすごいことがあったのですが、それは次週、報告します。他にもハプニングの数々や、これから韓国に行く(公演でも観光でも)人たちに教えてあげたいことがいっぱいあるので、とりあえず韓国シリーズはしばらく続くと思います。
今週は、秋に開催される韓国現代戯曲ドラマリーディングの出演希望者のミーティングもあるし、何たってワールドカップも始まるし、来週からはホビロン大王出演の日韓共作の芝居も始まるし、まだまだしばらく韓国づいていそうです。原稿執筆中のBGMも最近はK−POPばかりですしね。では、また来週!
(5.27.2002)
(つづく)