2002年3月第1週

さてさて、前回の続きです。

ク・ナウカの新人公演を観に行った帰り、劇場近くの居酒屋で私と演出の中野と道学先生のかんのと私のお気に入りのたきいみき嬢と飲んでいたところに、近くの稽古場で稽古を終えて飲みに来た、龍昇企画の面々がやって来たのでした(正確には中野とみき嬢は少し後から来たのですが)。

そこには大鷹明良もいて、何と元螳螂が4人も揃ってしまったのでした! 美加理もいたらすごいことになっていたのでしょうが、彼女は渡米中でいませんでした。龍昇企画には、実は私も大昔一回出させてもらったことがあり(駒場アゴラでやった『まいらない男たち』という芝居で、もちろん役者としてですよ、ハハハ)、その時の演出家の福井泰司氏もいました。福井さんには随分かわいがられ(いじめられ?)ましたっけ、へへへ。

中野も螳螂に入る前に龍昇企画に出たことがあり、かんのも昔、演劇団時代から龍昇さんのファンだったという、とにかく不思議な再会の場でした。まぁ、狭い演劇界ではよくある話といえばよくある話ですがね。

龍昇企画は3月8日から『水を運ぶ夜』という公演が始まるので初日に行く約束をして、店も終わりになったので小竹向原の駅に行くと、そこに何と打ち合わせを終えた宮城聰氏が現れたのでした。帰りの電車の中では同じ方向になった龍さんと宮城さんも挨拶し、宮城さんも福井さんの演出した舞台に出たことがあるなどという話もしました。ちょっと珍しいツーショットで、私はほろ酔い気分の中、さらにミーハー気分で楽しんでしまいました。

ま、そんな楽しい夜の話はこれぐらいにして、そうそう横浜演劇計画の話をしてなかったですね。

これは2年ぐらい前から、横浜の演劇を活性化させようという趣旨で始まった「劇サロ(正式名称は横浜西口演劇サロン)」という神奈川の若い演劇人(何たって私が最年長なぐらいですから)たちの集まり、といってもいわゆるただの飲み会でして、といっても非常に有意義な飲み会でして、何たって演劇人たち(一般の人の参加も可)が劇場(初めは相鉄本多とSTスポットでやってましたが今は相鉄本多だけ)で演劇の話をサカナに酒を飲み交わすというのですからすごいサロンです、をベースに、演出者協会の理事であり、ネオゼネレーター・プロジェクト主宰の大西一郎氏と、チェルフィッチュの岡田利規氏が中心になって立ち上げたイベントです。ま、詳しいことは横浜演劇計画のサイトを見てもらうとして、その第一回目が『映画をめぐる演劇の冒険』と題されて2月の13日から17日まで相鉄本多劇場で行われたのでした。そこに、私は5年ぶりに役者として出てしまったのです。

何たって私が大好きな役者の一人であるじっちゃんこと寺十吾氏[tsumazuki no ishi]から誘われたんだから、どこに断る理由がありましょうや。同時期に行われていたARROWの公開ワークショップの稽古にも顔を出さず、月光舎のメンバーから白い目で見られながらも、久しぶりに役者として楽しませてもらった芝居のタイトルはなぜか『WASABI』、私の役はジャン・レノ、おっと、じゃんれの。妻を一週間前に亡くした父親の役で、娘がひろすえ。大西君演ずる水道屋が三船と、まぁ、それにはフカ〜イ意味があるのですが、観た人にしかわからないでしょうね。え、観た人でもわからない? ま、いいじゃないですか。とにかく少しでも寺十(じつなし)ワールドの住人になれたのは楽しかったですね。横浜演劇計画は秋か冬には第二弾も計画中らしいので、楽しみにしていて下さい!

というわけで、とりあえず今週はこの辺でお茶を濁させていただきます。はい、ごめんなさいませ。

(3.3.2002)

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