劇団企画書


90年代に活躍した劇団十六夜社のコンセプトをベースに、(株)日鋼のサポートのもと、2013年の新しい十六夜社をリスタートさせる。総合プロデューサーとして日鋼の高畠史朗、座付きの作家・演出家として神保正則が参加する。

劇団の方針

1、芝居をちゃんとできる役者を育てる
2、専従スタッフはクリエーター集団として、芝居だけでなくイベントも仕掛けられるように育てる
3、「演劇を楽しむ」だけでなく、「社会にゆさぶりをかける」ようなアクションを起こす

共通の舞台条件

1、舞台は素舞台とし、装置を使わず役者を見せる
2、映像を駆使し、プロジェクターを3台ぐらい使用する(擬似プロジェクションマッピング)
3、ダンス。足腰の安定と姿勢を作るためにも。(「SNSD」希望)

募集:舞台美術家、映像作家、高性能機材、振付師

公演企画

■企画1
ポップで笑いの多いハデなエンタテインメント芝居。それでいて現代の若者の社会的な不安や生きづらさを描く。 インターネットやSNS、アニメなどのポップカルチャーを採用。キャバクラに集う若者の夢。

■企画2
SFファンタジー。男がたった一人、宇宙船に乗り、地球を離れていく。毎日、船内で家族や職場のシミュレーションをしている。日常の再現。普通の生活が懐かしい。もう戻れない。地球は放射能で・・・。

■企画3
正力松太郎が原発を日本に導入しようとして暗躍していた時代。その危険性に気付いた一人の新聞記者がいた。正力と対決するその記者こそ若き渡辺恒雄。「核を持たなきゃ先進国にはなれねえんだよ。」「正力さんあんた人間じゃねえ」・・・つか芝居です。

■企画4
「続・広島」真珠湾攻撃の南原中将がアメリカ人になって帰ってくる。美智子マッカーサー率いるGHQの先頭に、ロドリゲス南原は立っていた。迎え撃つは東京裁判を控えてテンション上がりっぱなしの東条英機。小番頭・吉田茂もほくそえむ。密かに新型爆弾の製造に励む青年湯川秀樹、硝煙の中から蘇ったディープ山崎、その他、戦後ニッポンのオールスタアキャストでお送りします。「あなたの美しさこそ私の祖国だ。」この意味を、いま再び問い返す。つかさんごめんなさい。(1997年に十六夜社が「続・広島」を企画した際に神保が出したアイディア。ボツになったけど。)


旗揚げはつかこうへい作「広島に原爆を落とす日」を行う。十六夜社が1996年に初演し、1997年に再演を行い、さらに「続・広島」まで作ってしまった作品。稽古30〜40回(2ヶ月)、10人前後。


「広島に原爆を落とす日」とは?
1979年初演。『風間杜夫スペシャル』と銘打ち、つかこうへい事務所の人気を不動のものとした記念碑的な作品。若きかとうかずこがヒロインを演じていた。また、つか作品の中では珍しく、ほとんど再演されていない。1997年に稲垣吾郎主演、いのうえひでのり演出で上演(原作は小説版)された。


ストーリー(原作つかこうへい、脚色:いろんな人)

1941年、白系ロシア人との混血のディープ山崎海軍少佐は重宗帝国大学教授の命により開戦案を作成する。その真珠湾を奇襲するという無謀な作戦が成功すると、その指揮は南原中将が執ったこととなり、山崎は南海の孤島へと追いやられる。戦局が悪化し、アメリカの原爆製造が伝えられると、山崎はドイツのヒトラーのもとへ愛する夏枝を送る。ヒトラーが生きていればアメリカは原爆をドイツに落とすはずだ、と。しかし夏枝の作戦は失敗し、アメリカは原爆投下国を日本に決定する。山崎は南海の孤島で納豆作りに励んでいたが、日本の窮地を救うため、敗戦処理班の命を受けて超弩級戦艦大和を沈める。さらに山崎は超長距離爆撃機富嶽を完成させる。しかしアメリカは原爆の投下を通告してきた。さらに、人類初の原爆投下国の汚名から逃れるため、投下ボタンのスイッチを押す役割を日本人から選ぶことに決定。連合国司令官として送り込まれた美智子マッカーサーは、山崎に戦後日本にデモクラシーの花を咲かせることを約束し、長距離爆撃機富嶽を「エノラゲイ」として山崎に搭乗を迫る。山崎は「美しい祖国」と愛する夏枝のために、故郷広島に原爆を落とすことを決意する。

公演計画

年2回程度、公演を行う。第1回公演を「広島に原爆を落とす日」とし、動員目標は700人。第2回以降は動員を800〜1000人とする。3年以内に3000人規模に到達することを目指す。作品はつかこうへい作品と神保正則オリジナル作品を並行して。一方、規模を拡大したプロデュース公演も企画する。

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