高円寺の一番熱い夜 by じんぼ(和泉在住)

気象庁東京管区気象台によると、11月29日東京地方は晴れのち曇り、ところにより夜、雨、降水確率30%である。民間の気象情報会社ウェザーニューズ社によると、杉並区高円寺北の29日午後6時の気温は11℃、北の風5m。冷たい雨も予想されている。極寒の夜である。2012年の東京を象徴するかのような一日だ。しかしこの日、高円寺駅前だけは、熱く燃え上がっているだろう。高円寺の歴史上、最も熱い夜となるに違いない。

とか言ってるけど・・・実際問題、告示日の夜に高円寺に来るって情報がもたらされたとき、セシオン杉並の和室に集まっていたご高齢のメンバーの顔が引きつっていたのを私は見逃さなかった。もちろん、ここにも暴走老人がいるわけで、何人かはガッツポーズで目を輝かせていたわけだけど。遠くを見る目で「高円寺駅前を大群衆で埋めるのよ」と・・・。

駅前に一万人も来たら大変だぞ・・・と、ボソっと吐く人もいたが、なにせ杉並勝手連はメンバーの平均年齢が高いにも関わらず、すぐ興奮する人、熱くなる人の集まりなので、勢いだけで物事が決まっていく。この日、一番暴走する人は階段でコケて骨折して欠席だったけど・・・(幸いなことに)。

高円寺という街は、これまで数々の伝説を生み出してきた。昨年4月には、数千人規模のデモを計画したら1万5千人が集まった。だからたいがいのことでは驚かない。阿佐ヶ谷や高円寺の商店街では、デモで人が集まることを喜んでいる商店主もいる。「デモ割」と言って、デモ帰りのお客に割り引くシステムも浸透しつつある。とはいえ、駅前に一万人は・・・。

だいたい、「一箇所でやる大イベント(点)よりも、多くの街角でやる小さな街宣のほうが重要なんだよ、点より面なんだから。」とさんざん言ってきた。チラシ配りはデモと同等なのだ。いや、デモも必要だけど、道行く人に声をかけたり、一軒一軒ポスティングするのも重要なのだ。シロートが集まってできるイベントには限界があるし・・・。

しかしながら、29日だけは別だ。それはわかっている。告示日だ。朝、マリオン前で第一声を挙げた候補者が、夜の高円寺で大群衆を前に決意を述べる。7時のニュースには間に合わないが、「H道ステーション」や「Nュース23クロス」や「NュースZERO」には間に合うだろう。候補者の名前を知らなくても、大群衆が踊り狂っている姿に興味を覚えてもらえるかもしれない。ドラムの音が耳に残るかもしれない。1万人、集めなければならないのだ。

さっき気がついたんだが、この夜のタイトルは「一万人の夜!」じゃないのね。タイトルだから、「夜!」と断言するのかと思ってたんだけど、「一万人の夜を!」と、「を」が付いてる。「を」って何?・・・願望かよっ!て思わずつっこんだけど、確かに願望だ。願いだ。凍える東京が、少しでも暖かくなることを願っている。そのための、最初の一歩が高円寺だ。高円寺史上、一番熱い夜となる。燃えるぜ!

そして18日間の戦いが始まる。

じんぼ(杉並区和泉在住)