FES INDEX pageへ戻る

FTHEATER観劇まつり '99


ジョビジョバ
「ジョビジョバ大ピンチ Space Travelers ver.Zero」


12/4 19:00〜 @東京都 三鷹芸術文化センター 星のホール
1999.12.2-5 5stage
全席指定 5250円

作・演出 児島雄一

出演
ジョビジョバ

感想
 来年GW公開の映画「スペース・トラベラーズ」(監督・本広克行 主演・金城武)の原作になったことで、95年に下北沢駅前劇場で上演された舞台が急遽再演されました。ジョビジョバは今後、この舞台で「全国ツアー」をするそうです(詳細は未定)。ちなみにこの舞台は95年のパルテノン多摩小劇場演劇フェスティバルのグランプリ(賞金100万円)を獲得しています。

 アル・パチーノ主演の映画「狼たちの午後」(お薦め!)をモチーフにした、ドタバタ劇。

 田舎の弱小銀行・コスモ銀行に2人組の銀行強盗が押し入る。リーダー格の男(木下明水・この役を金城武がやるらしい)と、彼を兄貴と慕う頭の弱い男(長谷川朝晴・この役を安藤政信がやるらしい。ちなみに映画の銀行強盗は3人組で、池内貴広(?)が加わる)。人質に取られたのは気が弱く、糖尿病の支店長(坂田聡)と学生気分が抜けないような若い行員(六角慎司)、強引な手口で3千万を無理やり借り出した政治家秘書(石倉力)と自分のカードの暗証番号を忘れた電気屋の親父(マギー)。

 2人組の杜撰な手口により、銀行はあっというまに警官隊に包囲される。2人は警官隊が簡単に手出しできないように、自分たちは6人組のテロリスト集団で、人質は20人いると外部に錯覚させるよう、人質たちに強要する。妙に乗り気な電気屋の親父を筆頭に、4人は強盗に従って話を合せる。そのうち6人の間には一体感と興奮が生まれだし……

 ジョビジョバらしく高いレベルで安定した芝居に、笑いや事件が澱みなくなくちりばめられています。どうなるのかなー、ってハラハラしながらみていました。

 セットにある銀行のマークは映画のものと同じ。ジョビジョバのかつての深夜番組「ロクタロー」の中のキャラクターも取り込んで、そのまま95年の再演ではないようです(95年のは未見)。

 結局ラストは男女2人組とか、男性2人組の映画であったやつの引用で、いくらそういう「ありがちなラスト」を茶化す演出をしていても、まー、寂しい。だいたいどう考えてもヘン。人質は全員無事だし、あそこで2人組が銃殺される理由が全然ないもん。警察って、人質の人命保護が第一で、それが大丈夫なら、犯人生きたまま捕まえて、事情といきさつを明らかにするのが方針じゃないかしらん。

 小池伊織氏によるオープニング映像、冒頭の巻戻し的演出など、かつてのジョビジョバの舞台は健在でした。

(総子)


FTHEATERホームページ  FSTAGEホームページ 週刊FSTAGEホームページ