『夜の青空』の公演が終わった。
学校の卒業公演とはいえ、久しぶりの小劇場で、しかも照明はやる(オぺはやらなかったが)、受付はやる、もちろん演出も、あと制作も、で、昔に戻った気がして、かなり、楽しかった。やはり、小劇場はいい。理想は、キャパ120ぐらいで、タッパのある小劇場でのロングラン公演だな。公演終了後、劇場で飲めるような。つまり、ニューヨークのオフやオフオフブロードウェー。そう考えると、東京キッドブラザースのシアター365はすごかった。大変だったろうけど。しかし、昔から思ってることだけど、なぜ日本じゃロングラン公演は成功しないんだろ。韓国でもあるのに。あ、小劇場でのね。劇団四季や商業演劇の2カ月ぐらいのは別。まず、1年ぐらいやれたらいいな。それが2年になり、3年になり。まぁ、役者もスタッフもそれで食べていけるようにならないとダメだな。120ぐらいのキャパでも毎日満員ならやっていけるんじゃないかな。もちろん、満員になるようなおもしろい芝居じゃないとダメだけど。それに、四季や商業演劇は団体動員や貸切とかあるし、やはり興行的なやり方を考えないと、きついのかな。日本人は熱しやすく冷めやすいし。まぁ、何はともあれ、自分の劇場を持たないことには始まらない。
『夜の青空』の公演の方は、シアターミラクルのキャパは100だとはいえ、パイプ椅子だし、余裕を持った客席作りをしたので、楽日以外は50人近い客だったが、ほぼいっぱい入っているという感じだった。楽日は多かったのかというと逆で、なんと出演者より少ないという有り様で、学生たちの意識の低さにダメ出しをした。いくらいい芝居をしたって、観てもらわないことには何にもならない。ただの自己満足でやってるようじゃプロを目指しているとはいえない、とね。客を呼べる役者にならないと。まぁ、自分たちの芝居が2000円の価値があるかどうかで判断したとしたら、そういう意識を持ってやってること自体が甘いんだな。2000円だったら、3000円、いや5000円の価値があるぐらいの芝居を目指さないと。最近は、やたら高くて、どうせ出演者のギャラになってるんだろうな、と思えるような芝居も多いようだけど。中身がなくてね。昔のVAN99ホールの99円とか、つかの紀伊国屋ホールの公演みたいに、安くていい芝居を観せてくれるのはないのかな。
ちょっと脱線したが、『夜の青空』は、月光舎ならぬARROWでやった『月と青空』を改題したものだが、ARROWでの公演に出演した連中が何人か観に来てくれた。初演のマスターをやった石塚、耀史役の濱田に、大田役の紀藤、再演でノノちゃんをやった石垣に、ひのみちゃんの鈴木。石垣綾子に会うのは5年ぶりぐらいだったが、すっかり大人のいい女になっていた。他に、今は椿組にいる岡村多加江も来て、舞監のベンちゃんや照明のとりい、そして今回、音響をやった長男のMINTOや、石塚、紀藤、それに、観に来た妻ら総勢8名で金曜日の公演終了後、すぐ近くの「世界のやまちゃん」に飲みに行った。「世界のやまちゃん」は東京にも支店が出来ているが、手羽は本場の名古屋で食べた時の方がおいしかった気がした。他の料理も。気のせいだろうか。やはり、その土地の料理は、その土地で食べるのが一番おいしいのかもしれない。その土地の風土に合っているというのもあるかもしれないし。
というわけで、ひとまず、学校の卒業公演ではあったが、6年ぶりの東京での公演が終わり、今はちょっとのんびりしている。しばらく休みもなかったし、久しぶりの休みだった水曜日には例によって天然温泉に行った。今回は家族5人全員で、男湯には3人の息子たちと入ったわけだが、3人ともすっかり大きくなって、うるさい若者3人組がいるという感じだった。小さい頃はともかく、ここまで大きくなると、確実に自分が年を取ったことを感じる。いつまでも若い気でいることは、あまりよくないのかもしれない。まぁ、仕事も周りは若い子たちばかりなので、こっちも頑張っているが、もうすぐ51だしなぁ。あと何年頑張れるか。いやいや、まだまだこれから!
(2008.2.2)