いゃあ、すごいのなんのって、こんなお祭り初めて! 何がって、博多どんたくですよ。私も、生まれ育った下北沢の北沢八幡のお祭りの影響からか、小さい頃からお祭り好きなもんで、一応東京のお祭りは浅草の三社祭りも深川の大祭も行ったことはあって、かなり興奮して次の日はすっかり疲れてしまったという経験があるんですが(深川の方は水を掛けられながら神輿も担いで参加しました)、この博多どんたくのスケールの大きさには驚きましたねぇ! ニュースでも「GWの期間中、もっとも人が集まる」と報道されていて、今年は結局二日間で210万人が集まったとか! 210万人っていったらあんた、東京の人口の6分の1でっせ! 福岡市の人口が130万人だから二日間は倍近くなるわけで、それだけの人間が博多駅から天神にかけての2km四方ぐらいのところに集まるわけですから、そりゃもう大騒ぎさ、です! ……なんか、!ばっかりですみません。
え〜、この博多どんたくというのは、正式には「博多どんたく港まつり」といって、福岡市民の祭りとして昭和37年から始まったもので、今年で42回目を迎えます。元々は古い民俗行事の「博多松囃子(ばやし)」という福神、恵比須、大黒の三福神と稚児が街中を祝いながら練り歩く祭りを起源としていて、この情緒溢れる松囃子を先頭に、6台の花自動車、そして、「どんたく隊」と呼ばれる市民や別の地域からも参加したグループが思い思いの踊りや演奏を披露しながら街中をパレードするというのが、どんたくのメイン行事です。「どんたく隊」はパレードだけでなく、市内の33箇所に設けられた演舞台というステージでも踊りや歌や演奏を披露し、最終的に観に来た人たちのアンケートでいろいろな賞も決める人気コンクールも行われます。その「どんたく隊」も今年は過去最高の577団体! 東京にいくつの劇団があるかわかりませんが、それだけの数の団体が二日間に街中で公演をするようなもんで、実際、街が劇場化していました。小さい子供から爺さん婆さん、そして若いピチピチギャルまでそれこそ老若男女が参加している「どんたく隊」は、パレードや演舞台での発表の前は、それぞれの格好(この衣装がまたそれぞれ派手!)のまま街のあちこちにいるので、仮装パーティの街に来たような不思議な感じだし、「どんたく隊」のパレードを観たい人は、始まるかなり前から場所取りのためにビュンビュン車が走ってる道路っ淵に腰掛けているし、道路際には普通の電灯だけでなく、パレードを照らし出すための舞台照明が取り付けられていて、まさに街全体が劇場になっている感じで、私はパレードが始まる前から興奮してました。
さらに、天神のメインストリートに行くまでにいくつかの演舞台を観て回ったのですが、そこでは振舞い酒がタダでどんどん配られ、私はチャリで移動していたのですが、天神に着く頃にはすっかり出来上がってました。さらにさらに、まだ時間あったので、近くのエルガーラで行われていた“焼酎まつり”に行き、何種類ものうま〜い九州の焼酎を試飲して(地鶏のつまみ付きもあり、ぜ〜んぶタダ!)、もう気分は最高どころか絶好調! しかし、そこにいた人たちはみんな結構飲んでるはずなのに顔にはあまり出てないようで、やはり九州の人は酒が強い、と思いましたね。
街の中は確かにすごい人の数なんですが、私もチャリで移動出来るぐらいで混雑した感じがないのは、歩道が広いためなんです。いや、歩道だけじゃなく、道路も広いし、周りは大きなビル街なんですが、東京の都心のように圧迫感がないのは、この道の広さなんでしょうねぇ。こういった日本中から人が集まる祭りの経済効果はすごいものだし、祭り好きの石原都知事なんだから東京でもやれればいいのに、とも思いましたが、道が狭いから出来ないでしょうね。何しろ、歩道に屋台の出店がズラーッと並んでても狭さを感じないんですから。この屋台ですが、まるで日本中の(少なくとも九州中の)テキヤが集まったんじゃないかと思うほど、どこまで行っても行っても行っても屋台が続いていて、屋台好きの私にはたまりませんでした。その中で“はしまき”という見慣れない不思議な看板の屋台があって「なんじゃ、これは?」と思ったんですが、みなさん、知ってました? 200円で買って食べてみましたが、何のことはない、シンプルなお好み焼きを箸に巻いただけのものでした(他にも九州ならではなのか、見慣れない屋台がいくつかありました)。
夜になると花自動車のネオンが光り輝き、より幻想的な雰囲気で、そうそうディズニーランドのエレクトリカルパレードを思い出しました(昼間のパレードも似ているといえば似てます)が、ディズニーランドにはテキヤの屋台はありませんからねぇ。私は断然こっちの方が好きです。
最後には、飛び入り参加も自由でみんなで踊って盛り上がる“総踊り”があってお開きになります(これにはさすがに疲れきって参加出来ませんでした)。同時期には、福岡ドームでダイエーホークスのどんたくシリーズという試合があったり、ミス福岡コンテストがあったり、ライブがあったりといろんなフェスティバルが同時に行われ、飽きることのない二日間なので、GW一番の人出というのも納得出来ますね。一度来ると、必ずリピーターになりますよ。来年ももし福岡にいたら、屋台好きのうちの子供たちも呼んで驚かせてやりたいと思いましたね。いや、いなくても来たいなぁ。
ところで「どんたく」の意味ですが、オランダ語のZondag[休日]が語源だって知ってました?
(2003.5.6)