2006年5月第0週(START!)
こんにちは、西山水木です。よろしくお付き合いください。
「役者は親の死に目にもあえない」とよく言われます。私も実家が遠いので、覚悟はしておりますが、今回、長い休みがドカンと取れた(むりやり取った?)ので、一月ほど、じっくり父親の介護を手伝ってきました。・・・いやあ、大変でした。
だけど、素晴らしい帰省でした。大人になってから、親と暮らすのって、いいですねえ
そして、5月3日憲法記念日は、関西の演劇人と「非戦を選ぶ演劇人の会」のコラボレーション。朗読劇「ボクの戦争」の上演に参加してきました。できたての兵庫県立芸術文化センターは美しかった。
「東京の演劇」、「関西の演劇」、って、よく言われる。あまり変わんないよ!とよく言い返してる。東京で、芝居している意味を、La compagnie Anでは改めて考えながら上演を重ねているので、モチベーションとしては関西で活動している人たちと共感する部分が多い。フランスで公演する意味。韓国で公演する意味。と、同じね。やたら行きゃあいいなんて思わないですね。しかし、若い演劇人たちの元気よさにすっかり力づけられました。元気もらったー!
☆今もっている台本。
☆先週買った一番高いもの:10メートルの細いLANケーブル
☆先週よく使った言葉:「Let It Be」「嘘」「憲法九条」
☆クレネリゼロファクトリー「春と爪」の客演を終えたばかりの明樹のところには、おかげさまで客演の依頼が殺到している。Anのスケジュールを調整しながら、これからもどんどん活躍して欲しいなあ。
由佳効果と呼ばれる変な効果がある。由佳が参加した芝居、本当に皆仲良くなってしまう。
☆由佳的An |
先日客演をさせていただいた。自劇団と他と、行ったり来たり出来るのは本当に面白くありがたい経験だ。アンは自分が作った劇団なので、もちろん非常に居心地もよくやりたいこともはっきりしているのだが、他に行くと感じる若干の(時によるとたくさん)居心地の悪さと不満、そして翻しての達成感。鍛えられてるんだよな、そこで。
私にとってのアンを考える。役者個人としては、自分の武器を最も使える場所。作品としては、自分中にもある、社会的ルールへの疑問を観客に投げかける場所。私は常に人や社会と繋がっていたい。作品(作っている過程でも)に鍛えられて、自分が変化する。「芸術は人生を考察する行為」と言ったのは誰だったかしら。アンが常に考察の場であるようにしたい。
☆今では笑い話だが、ちょっとしたオカルトエピソードがあった。一番怖がってくれたのが、あかねちゃん。稽古の制作的な調整を几帳面にやってくれる。悲しい顔で、私の散らかった作業場を見つめている時がある。あかねちゃんに悲しい思いをさせたくなくて片付けたりする。
☆あかね的興奮 |
いよいよ今週から『小峰公子をよむ おどる+罠の狼』の稽古が始まる。今回の目標は「新たな自分を発掘する」だ。どこかにいまだ眠っているはずの自分の一面をえぐり出し、表現につなげていく! 目標。つーか、夢ですかね……
La compagnie Anの芝居は、本番3日前に、セリフのカットがあり、構成や段取りが変わることは、ザラである……さっそく、稽古がまだ始まっていないというのに、演出の西山水木は、構成を変えると発表した。今回は一体、本番直前にどんな波乱が起きるのであろうか。ドキドキ。
☆私が命名した「シケ顔」が、最高に発揮される芝居を書いた。…つもり。シケ顔のシの字もない関根(信一)氏との対決が早く見たい!!!
☆清木場的第一段階 |
ある日。4月28日。ジェストダンスの稽古。6月2日〜4日、Anの公演「小峰公子を よむ おどる +罠の狼」のジェストダンス稽古。午前は、本公演前にジェストダンスクラスの生徒さん達の発表会(「アンテリア」という)の稽古であった。
同じ振り付けなのに、それぞれのニュアンスが違い、違う振り付けに見えたりする! 表情や、動きのタイミングによるものだと思うけど、その人の持つイメージの違いで、こんなに違うものかと、改めて思う。不思議でおもしろい。
注意しなくてはならないのは、入りこみすぎると、おそらく本人が意図するものと、違ってしまい、見せる 表現にならないときもあるように思う。ジェストダンスに限らないけど。午後、本公演メンバーのダンス稽古。そんなことを考えながら、振りを覚える。自分の内面は、日々変わっているのに、イメージが弱かったり、ワンパターンになると、なんだか狭い世界の中をウロチョロしてる気がして、不安になる。不安解消。が、まず、稽古の第1段階、の目標。
長い留守の間に、人生相談(進路・恋愛)のメールが来たので、次回からはここでお答えしていきもしよう、と思います。
よろしくお願いいたします。
(2006.5.5)
(つづく)
水木さんは、大きな劇場から小劇場まで、あっちこっちの劇場で活躍なさっています。前月、新国立劇場にいたかと思うと、次はアゴラ劇場で、次は明治座で、気がつくと海外公演へ行ってたり。「今もっている台本」ってのは、別に趣味で読んでるわけではありません。この人とAnを観察してると、今の演劇状況が見えてきます。演劇界の空模様を観測する西山測候所です。Anのメンバーにもフォローしてもらって、その七転八倒ぶりを追いかけましょう。(じんぼ)